大学の申請書類は2008年4月末頃出した。こちらは書類審査で合否が決まるので入試というものがない。私は日本で大学を卒業しているので、バカロレアの代わりに日本での大学卒業証明書を出した。ちなみに、私の大学では英語の証明書も発行してくれ、語学学校でも大学でも英語の証明書で大丈夫だった。法定翻訳をしなくてもいいので大助かり。
申請書類は大学のセクレタリアへ直接もらいに行き(書類をもらうだけでも長蛇の列に出会ってしまう)、書類に記入して必要書類とともに提出しに行く。外国人はフランス語のレベルを証明するもの(DELF/DALFとかTCFの成績)を持って行かなければならない。私は自慢じゃないがその種のテストを受けたことがなかったので、書類を提出した後、申請先の大学でTCFを6月末に受けさせてもらうことになった。
でも一発本番でこの得体の知れないテストを受けるのが怖かったので、5月末に自分でTCFを受けた。この日はちょうどソルボンヌのディプロム取得のための口頭試験が午前中からあり、「カルメン」について適当に答えた後、TCFの会場へ。ソルボンヌの試験のお陰で必死に勉強していたので結局このTCFは予想より結果が良くてビックリ。
そしてわずか1ヶ月後の6月末、朝っぱらから訳のわからない郊外の校舎でいよいよ本番のTCFを受けることとなった。一瞬「ま、まさか受かったらこんな遠いところで勉強させられるのか?」とビクビクしていたが、この校舎に行ったのはその日限り(ほっ)。2週間ほどで結果が来たが、やっぱり前月の成績は神様からのボーナスだったのだとわかった。どうせなら本番でボーナス出して欲しかったけど。
TCFの結果が来たはいいが、大学に入れるかどうかのお返事が待てども来ず。9月末には滞在許可証の更新もあったので、係の人に「いつ頃結果はわかるんでしょーか?」と聞きにいったら「うーんと、9月の中旬から月末にかけてかな〜」と呑気に言われた。「あの…滞在許可証が9月末に切れるので困っちゃうんですが」と言ったら「あら〜それは大変だねえ。早く来るといいねえ〜」だって。しょうがないので「まっいっか」と気長に待つことにした。
そうしたら何とか9月中旬過ぎに入学許可のお知らせが来て、しかし登録手続きの期限が間近に迫っていたので(何故この国はいつもぎりぎりなのだ?)、急いで登録しにセクレタリアへ赴いた。そうしたらまた申請書類を渡されて「明日以降のランデブーを取ってから来てね」。この国では諸手続きは決して1日で終わらないことに気づき始める。仕方がないので翌日のランデブーを取り、翌日、長蛇の列に並んで(ランデブーを取ったのに関わらず)学費を払い、証明写真をホチキスで留めただけの紙の学生証をもらって(国立大学はお金がない)家路へ…。
と、ここでまだ終わってなかった。
総合的な大学の事務室で学費を払って学生情報を入力したのはInscription administrativeといい、次は自分の学科事務室でInscription pédagogiqueというのをやらなければならない。でも何の資料も渡されてないし、一体全体そのペダゴジックとやらで何をしたらいいのかなーんにもわからない。さすがに「まっいっか」とは言っていられなくなり、学科事務室へ電話してみた。そしたら「こっちへきてプランニングを提出して下さい」という。プププランニング?「あのーそのプランニングとやらはどこでもらえるんでしょう?」と聞いたけど、何だかさっぱり要領を得ない。崖っぷちに立たされて助っ人(フランス人)を投入したら「時間割(プランニング)を決めなきゃいけないので、学科事務所まで行き、それからフランス語の授業も取らないといけないので(外国人は必修)それは別校舎の事務所へ行くように」ということがわかった。
それ以上のことは助っ人も全然わからなかったとのたまうので、とりあえず案内された学科事務室へ行ってみる。そしたら事務室のお姉さんは親切に授業のリストの貼ってある場所を教えてくれた。どうやらこのリストを見ながら自分で時間割を作り、それを登録してちょ、ということらしい。自分の取らなければならない授業のリストと、掲示板のリストとにらめっこし、周りのフランス人に質問しまくって(でも誰も自分たちが何をしているのかわかっておらず。)2時間後に時間割作成完了。次は登録の長蛇の列に(またか)並び、2時間くらい待って登録できた。帰る頃にはとっぷり日も暮れ、まだ始まってもいないのに訳のわからない達成感を感じた記憶がある。
今思うとどうってことない感じがするが、その時はフランスの学校の仕組みや手続き関係のことなど何にも知らなかったので、毎日胃の痛い思いだった。はーこれでまた学んだね。何をここで学んだのかは定かじゃないが。
ちなみに、私はもう1つ別の大学に応募してこちらも入学許可が来たが、授業の内容を見に行ってみたらセクレタリアの人に「登録は今日までなのよ!あなた今まで何してたの?!キー!」と怒られ(でも入学許可の手紙が来たのはその前日)、おまけに私の専攻の記述に間違いがあって(セクレタリアが間違えた)自分の学科を探すのにでさえ時間がかかり、やっと見つけたと思ったら必修科目に「ギリシャ語、チェコ語、アラブ語、イタリア語、なんとか語(見たことも聞いたこともない)から1つ選べ」と書いてあって、一気にやる気が失せ、私のなけなしのお金(学費)がこのぞんざいなセクレタリアの人達の生活を支えるのかと思ったら寒気がしてきて、優しく処理も早かった(この国の他の事務作業との相対性理論で)今の大学に行くことに決めたのだった。やっぱ勉強も仕事も環境が一番さ、と思って。
パリ:夏のソルド開始!
12 years ago
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